スマホの歩数計を開いて、今日は6,200歩。目標の1万歩には届かなかった——。
健康のために歩く。とても良い習慣です。ただ、歩数という1つの数字だけを見ていると、見落とすものがあります。
同じ6,000歩でも、中身はまったく違うことがあるからです。
同じ歩数でも、中身が違う
まず、この2人を比べてみてください。どちらも同じ6,000歩です。
歩数計は「足が動いた回数」を数えているだけです。どれだけの距離を、どれくらいの速さで歩いたかは分かりません。
つまり「1万歩」という数字は、目標としては分かりやすいのですが、歩き方の質までは表していないということです。
歩数だけでは見えない2つのこと
見落としがちなのは、この2つです。
① 歩幅(ストライド)
加齢とともに、歩幅は小さくなりやすいと言われます。足が上がりにくくなる、バランスを取るために歩幅を狭める、といった理由です。
歩幅が小さくなると、お尻やももの後ろ側の筋肉を使う場面が減ります。足を前に大きく振り出す動作そのものが減るためです。歩数は変わらなくても、使っている筋肉の範囲が狭くなっていく——これが歩数だけでは見えない部分です。
② 速度
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人の身体活動量の目標として「1日あたり8,000歩以上」が示されています。ここで大切なのは、同時に強度の考え方も示されている点です。
同ガイドでは、成人について3メッツ以上の強度の身体活動を週23メッツ・時以上が推奨されています。3メッツというのは、普通歩行よりやや速いくらいの強度です。
今日からできる、歩き方の工夫
お金も道具もかからない工夫です。歩数を増やす前に、こちらを試してみてください。
- いつもより「もう半歩」前に出す。極端に広げる必要はありません。かかとから着いて、つま先で押し出す意識で
- 信号1つ分だけ速く歩く。全区間ではなく、区切って速歩を挟む。会話が少し途切れる程度が目安です
- 腕を振る。腕が振れると、自然に歩幅も出ます。カバンは背負うか、持ち手を短くして体に沿わせる
- 目線を上げる。足元を見ていると歩幅が縮みます。10〜15m先を見る
- 靴を見直す。底が硬すぎる靴、かかとが減った靴は歩幅を制限します
- 帰り道は少し遠回りする。歩数も距離も増えます
特に効くのは1つ目です。歩数を増やすのは大変ですが、歩幅を広げるのは今日からできます。
それでも歩く時間がとれない日は
とはいえ、雨の日、猛暑の日、帰宅が遅い日。歩けない日は必ずあります。
そういう日の選択肢として、電気刺激で筋肉を動かす機器があります。当店で扱うパルストレーナーは、ベルト状の電極を両脚に巻いて下半身の筋肉を動かす運動機器です。座ったまま20〜30分で終わるので、天候や時間に左右されません。
ただし、これは歩くことの代わりにはなりません。歩行にはバランスを取る、地面からの刺激を受ける、といった機器では再現できない要素があります。上に書いた歩き方の工夫を先に、そのうえで「どうしても歩けない日」の補いとして考えていただくのが妥当です。
まとめ
- 歩数計が数えているのは足が動いた回数だけ。同じ6,000歩でも距離は1km以上変わります
- 公的な指針も歩数と強度の両方を示しています。「どう歩いたか」が含まれています
- まずは「もう半歩」前に出すところから。歩数を増やすより簡単で、今日からできます
歩き方や下肢の状態について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。