夕方になると、足が重い。朝はすっと履けた靴が、帰りはきつい。デスクワークの日ほど、その感じが強い——。
「ふくらはぎは第二の心臓」という言い方を聞いたことがある方は多いと思います。うまい表現ですが、なぜそう呼ばれるのかまで説明されることは意外と少ないようです。
仕組みが分かると、日中にできることも見えてきます。
なぜ「第二の心臓」なのか
心臓は、全身に血液を送り出すポンプです。ただ、送り出すのは得意でも、足元から心臓へ戻すのは重力に逆らう仕事になります。
ここで働くのが、ふくらはぎの筋肉です。歩いたり、つま先を上げ下げしたりすると、ふくらはぎの筋肉が収縮して周囲の血管を圧迫します。静脈には逆流を防ぐ弁があるため、圧迫されると血液は心臓の方向へ押し上げられます。
これを筋ポンプ作用と呼びます。筋肉がポンプの役割を果たすので「第二の心臓」という言い方になったわけです。
| 役割 | 担っているもの |
|---|---|
| 心臓から全身へ送り出す | 心臓 |
| 足元から心臓へ押し戻す | ふくらはぎの筋肉(筋ポンプ作用) |
ポイントは、筋ポンプ作用は「筋肉が動いたとき」にしか働かないということです。座って動かないままだと、このポンプは止まっています。
座りっぱなしの日に起きていること
デスクワークの日に足が重く感じられるのは、この筋ポンプが長時間止まっているためと考えられます。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、座位行動(座りっぱなし)が長いこと自体が健康リスクと関連するとされ、立ち上がって身体を動かすことが推奨されています。「運動する時間を作る」以前に、座り続けないことが挙げられているのが特徴です。
そしてもうひとつ。ふくらはぎの筋肉そのものが落ちていくと、ポンプの力も弱くなります。加齢に伴う筋力低下(サルコペニア)は下半身から進みやすいとされており、「動かす機会が少ない」と「筋肉が減る」が重なると、循環がしづらくなるという構図です。
今日からできる、お金のかからない工夫
筋ポンプは動かせば働きます。特別な道具は要りません。
- 座ったまま、かかとの上げ下げ。デスクの下で20回。回数より、こまめにやることが効きます
- 30分〜1時間に一度、立ち上がる。トイレやコピーのついででも構いません。立つだけでもふくらはぎは働きます
- 歯磨き中に、かかと上げ。洗面台に手を添えて。歯磨きが終われば終わりなので、時間を計る必要がありません
- エスカレーターより階段。上りだけで十分です。下りは膝の負担が大きいので無理をしない
- 足を組む癖をやめる。片側に偏った圧迫が続きます
- 寝る前に足を少し高くする。クッションを入れる程度で構いません
いちばん効くのは2つ目です。「運動する時間を作る」より「座り続けない」のほうが、続けやすく実行しやすいと思います。
それでも動かせない時間がある場合
とはいえ、会議が続く日、締切前、移動の多い日。物理的に立てない時間はあります。
そういう場合の選択肢として、電気刺激で筋肉を動かす機器があります。当店で扱うパルストレーナーは、ベルト状の電極を両脚に巻いて下半身の筋肉を動かす運動機器です。
- 座ったまま使える。テレビを見ながら、デスクワークの合間に
- 天候に左右されない。雨の日も猛暑の日も、外に出る必要がありません
- 20〜30分で終わる。時間が読めるので生活に組み込みやすい
ただし、これは歩く・立ち上がるの代わりになるものではありません。上に書いた無料の工夫を先に、そのうえで「どうしても動かせない時間がある」場合の補いとして考えていただくのが妥当だと思っています。
まとめ
- ふくらはぎが「第二の心臓」と呼ばれるのは、筋肉の収縮が血液を心臓へ押し戻す(筋ポンプ作用)から
- この作用は筋肉が動いたときにしか働きません。座り続けている間は止まっています
- まずは30分〜1時間に一度立ち上がる・かかとの上げ下げから。お金も時間もかかりません
「立てない時間がある」という前提で何ができるか、というご相談も承っています。お気軽にお声がけください。