グリルで焼いた魚は、たしかにおいしい。フライパンより香ばしく仕上がります。
それなのに、いつのまにか使わなくなる。気づけばフライパンか、フライパン用のホイルシートで焼いている——。
理由は「焼き上がりに不満があるから」ではありません。焼いたあとにあります。
使わなくなる理由を、分解してみる
グリルが使われなくなる流れは、だいたいこうです。
手間の内訳を数えると、こうなります。
- 網を外して洗う。焦げが固着していて、つけ置きが必要になることも
- 受け皿を洗う。水を張るタイプは、油が浮いた水を捨てる作業から
- 庫内を拭く。手が入りにくく、奥まで届かない
- においが残る。次にパンやトーストを焼くと、魚のにおいが移る
ポイントは、焼く時間より片付けの時間が長いという点です。魚を2切れ焼くのに10分、洗うのに10分以上。この比率が、使わなくなる決定的な理由です。
今日からできる、洗う手間を減らす工夫
買い替えの前に、片付けを軽くする方法があります。
- 受け皿に片栗粉を溶いた水を張る。水200ml+片栗粉大さじ4程度。冷えると固まるので、油ごとまとめて剥がして捨てられます
- 網に油を塗ってから焼く。焼く前にサラダ油を薄く塗ると、皮のこびりつきが減ります
- グリル用のホイルシートを使う。網に敷くタイプなら、そのまま捨てられます
- 焼いた直後の熱いうちに拭く。油が冷えて固まる前のほうが、圧倒的に楽です
- においには「空焼き」。魚を焼いたあと2〜3分だけ何も入れずに加熱すると、残った油が飛びます
特に1つ目は効きます。片栗粉が固まった状態で剥がせるので、油の付いた水を流しに捨てる工程がなくなります。
そもそも庫内を持たない、という選択肢
ここまで工夫しても、網と受け皿と庫内を洗うという構造自体は変わりません。
片付けの手間を根本から減らすなら、庫内で焼かない方式という考え方があります。フラットな天板の上で焼くタイプなら、洗うのは天板を拭くだけです。
| 魚焼きグリル | フラットな天板で焼く | |
|---|---|---|
| 洗う対象 | 網・受け皿・庫内 | 天板を拭くだけ |
| においの残り | 庫内に残りやすい | 残りにくい |
| 加熱の仕組み | 赤外線(庫内) | 赤外線(天板下) |
| 焼き上がり | 香ばしい | 香ばしい |
当店で扱うラジエントヒーターは、天板の下のヒーターが赤外線を出して加熱する方式です。魚焼きグリルと同じ「赤外線で焼く」仕組みですが、庫内がありません。専用の焼き網をのせて魚を焼けるので、片付けは天板を拭くだけになります。
当店では2つのタイプを扱っています。
- ビルトインタイプ:キッチンに組み込む形。ガスコンロからの入れ替えに
- 卓上タイプ:工事不要で置くだけ。まず試してみたい方にも
ただし正直に書くと、天板が汚れないわけではありません。油ハネはします。違いは「拭くだけで済むか、分解して洗うか」です。そこが手間の分かれ目になります。
まとめ
- グリルを使わなくなるのは焼き上がりの問題ではなく、焼く時間より片付けの時間が長いから
- まずは受け皿に片栗粉水を張る・熱いうちに拭く。これだけでも片付けは軽くなります
- それでも面倒なら、庫内を持たない方式という選択肢があります。ただし天板の油ハネはします
片付けの手間で献立から魚が消えるのは、もったいない話だと思います。実際の焼き上がりと拭き取りを試したい方は、お気軽にお声がけください。