「整骨院で受けた電気と、家で使うEMSは同じものですか?」
よく聞かれる質問です。見た目も、ピリピリする感覚も似ているので、同じものだと思われるのは自然なことだと思います。
ただ、法律上の区分も、使われ方も違います。整形外科でリハビリに携わってきた立場から、その違いを整理しておきます。
医療機器と家庭用機器は、別のもの
まず区分から。電気で筋肉や神経に刺激を与える機器には、大きく分けて次の3つがあります。
いちばん大事なのは、家庭用EMSは医療機器ではないということです。治療を目的とした機器ではなく、痛みをとる、症状を改善するといったことをうたうことはできません。
逆に言えば、家庭用EMSに「治る」「痛みがなくなる」と書かれていたら、その表現を疑ったほうがいい、ということでもあります。
現場で、電気刺激は「主役」ではなかった
整形外科のリハビリで、電気刺激はよく使われていました。ただ、私が現場で見てきた範囲では、電気刺激だけで何かを終わらせることはありませんでした。
位置づけとしては、次のような補助です。
- 医師の診断と指示があってはじめて使う
- その日の状態を見て、使うかどうか、どこに当てるかを毎回判断する
- 中心はあくまで運動療法。自分で身体を動かす練習の前後に組み合わせる
- 合わない方、使ってはいけない方には使わない
つまり、電気刺激そのものより、「その人がまた自分で動けるようになること」が目的で、電気はそのための手段のひとつでした。
家庭で使うときの考え方
その経験から、家庭用EMSを使う方にお伝えしていることがあります。お金をかけずにできることから順に書きます。
- 痛みがあるなら、先に医療機関へ。原因が分からない痛みに、自己判断で電気を当てないでください
- 動けるなら、まず動く。椅子からの立ち上がり、かかと上げ、階段。EMSより先にできることは多くあります
- EMSは「動けない時間」を埋めるもの。天気が悪い日、座っている時間が長い日、運動が続かない日の補いとして考えるのが現実的です
- 使えない方を必ず確認する。ペースメーカーなど体内植込み型の医用電気機器を使用されている方は使えません。持病のある方は主治医に相談してください
当店で扱うパルストレーナーは、ベルト状の電極を両脚に巻き、座ったまま下半身の筋肉を動かす運動機器です。上に書いたとおり、治療のための機器ではありません。「動く習慣を続けるための道具のひとつ」として、ご相談いただければと思います。
使う前の注意点は、こちらの記事にまとめています。
まとめ
- 医療施設の機器・家庭用低周波治療器・家庭用EMSは法律上の区分が違います。家庭用EMSは医療機器ではありません
- リハビリの現場で、電気刺激は運動療法を支える補助でした。主役は、自分で動くことです
- 家庭では痛みは医療機関へ、動けるなら動く、EMSは動けない時間の補い。この順番がいちばん安全です
「自分の場合は使っていいのか」も含めて、お気軽にご相談ください。向かない場合は、そうお伝えします。