この記事は、EMSをおすすめするための記事ではありません。
使わないほうがいい方、使う前に医師に相談していただきたい方について書きます。柔道整復師として16年、電気を使った施術機器を扱ってきた立場から、先にお伝えしておきたいことです。
器具を売る側がこの話を後回しにするのは、順序が逆だと思っています。
使用できない方(禁忌)
まず、使用そのものができない方です。ここは例外がありません。
● 心臓に障害のある方
● 妊娠中の方、出産直後の方
● 悪性腫瘍のある方
● 高熱(38℃以上)のある方
● 血圧に異常のある方
● 感染症のある方
● 皮膚に感覚障害・異常のある部位
● 医師から運動を禁じられている方
特にペースメーカーについては、電気刺激が機器の動作に影響する可能性があるため、絶対に使用できません。ご本人だけでなく、同居されているご家族が使う場合も、近くで使用しないようご注意ください。
この点は、器具の説明を始める前に必ず確認しています。「たぶん大丈夫」で進めていい話ではありません。
使用前に医師に相談していただきたい方
禁忌ではありませんが、自己判断で始めないでいただきたい方です。
- 治療中の疾患がある方。糖尿病、循環器系の疾患などで通院されている場合
- 腰や膝に痛みがある方。痛みの原因が分からないまま筋肉を動かすと、悪化させることがあります
- 手術後の方。金属プレートやボルトが入っている場合、その部位の使用は避けてください
- ご高齢で持病がある方。特に複数の薬を服用されている場合
- 過去にリハビリで電気治療を受け、合わなかった方
現場でよく見たのは、「痛いけれど原因が分からないまま、自分で何かを始めてしまう」ケースです。動かしていい痛みと、休ませるべき痛みは別です。判断は医療機関でしていただくのが確実です。
使い方で気をつけること
使える方でも、使い方には注意点があります。取扱説明書に沿った基本ですが、見落とされやすい点を挙げます。
- 心臓の周辺、頭部、首の前面には使用しない
- 皮膚に傷・炎症・湿疹がある部位は避ける
- 入浴中・入浴直後は使わない。濡れた状態での使用は避けてください
- 強さは「気持ちいい」範囲で。強くすれば効くという機器ではありません。痛みを感じる強さは適切ではありません
- 連続して長時間使わない。1回の使用時間は取扱説明書の範囲内で
- 眠りながら使わない。異常に気づけません
- 他の電気治療器と同時に使わない
強さについてもう少し書きます。「もっと強くしたほうが効くのでは」と考える方が多いのですが、痛みを我慢して使っても良い結果にはなりません。筋肉が硬くなり、翌日つらくなるだけです。
「やめどき」のサイン
使い始めたあと、すぐに使用を中止して医師に相談していただきたい状態があります。
● 皮膚にかゆみ・赤み・発疹が出た
● 気分が悪くなる、動悸がする
● 使った部位に腫れが出た
それから、これも正直に書いておきます。使ってみて「自分には合わない」と感じたら、やめて構いません。続けられないものを無理に続ける必要はありませんし、それで責任を感じていただく必要もありません。
まとめ
- ペースメーカーなど体内植込み型の医用電気機器を使用されている方は、使用できません。例外はありません
- 治療中の疾患・原因不明の痛み・手術後の方は、自己判断で始めず医師にご相談ください
- 強さは「気持ちいい」範囲で。強いほど効くという機器ではありません
- 痛み・かゆみ・気分不良が出たらすぐ中止。合わないものは合いません
ご相談いただければ、持病や状況をお聞きしたうえで「向きません」とお答えすることもあります。そこも含めて、判断材料をお出しします。