卵焼きがフライパンに張りつく。煮物の底が焦げて、洗うのに30分かかる。
「鍋が古くなったから」と思いがちですが、こびりつきの半分以上は温度の上がり方で決まります。
道具を買い替える前に、火加減で防げる部分を整理しておきます。
こびりつきが起きる仕組み
食材が鍋に張りつくのは、主にたんぱく質と糖が熱で変化し、鍋の表面の細かな凹凸に入り込んで固まるためです。卵・肉・魚・でんぷん質の多い食材で起きやすいのはこのためです。
ポイントは、温度が低すぎても高すぎてもこびりつくということです。
今日からできる、火加減のコツ
道具を変えなくても、次の5つでこびりつきはかなり減らせます。
- 予熱は中火で1〜2分。強火で一気に熱すると表面だけが高温になり、ムラができます
- 水滴テストで確認する。水を数滴落として、玉になって転がれば適温の目安です。すぐ蒸発するなら熱すぎ、広がるなら不足です
- 油は予熱のあとに入れる。冷たい鍋に油を入れて熱すると、油だけが先に劣化しやすくなります
- 食材を入れたら、すぐ動かさない。表面が焼き固まるまで待つと、自然にはがれてきます
- 冷蔵庫から出したての食材は、少し置く。一気に鍋の温度が下がり、予熱不足と同じ状態になります
煮物の底が焦げる場合は、沸騰したら弱火に落とす、ときどき底から混ぜるの2点で大きく変わります。
温度が「ムラになる」問題
火加減を守っても、こびりつく場所が決まっていることがあります。鍋の中心だけ、あるいは外周だけ焦げる。これは熱の当たり方にムラがあるためです。
ガスは炎の輪の上だけが強く熱くなり、中心が弱くなりがちです。IHは鍋底のコイルの形に沿って熱くなるため、コイルの外側に出た部分は温まりにくくなります。
ムラを減らすには、底の厚い鍋を使う、予熱に時間をかけて熱を全体に回すといった方法があります。
もうひとつ、加熱方式そのものを変えるという選択肢もあります。ラジエントヒーターは天板の下のヒーターが赤外線を出し、面で加熱する方式です。鍋底全体に熱が当たりやすく、土鍋やアルミ鍋など素材を選ばずに使えます。
ただし、ラジエントは火力の切り替えに少し時間がかかります。「強火から一気に弱火に」という調整はガスほど速くありません。余熱が長く残るので、早めに火を弱めるのがコツです。
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まとめ
- こびりつきは低すぎても高すぎても起きます。適温の幅に入れるのがいちばんの予防
- 中火で予熱 → 水滴テスト → 油 → 食材を動かさない。道具を変えなくても、ここで半分以上防げます
- 場所が決まって焦げるなら、熱のムラが原因かもしれません
お使いの鍋で、実際の焼き上がりを試していただくこともできます。お気軽にご相談ください。