「この水はpH9のアルカリ性です」
そう説明すると、たいてい少し困った顔をされます。理科で習った記憶はあるけれど、数字が大きいとどうなるのか、それが暮らしの何に関係するのか——そこまでは出てこない。当然だと思います。
今回は数字の意味と、家の中での使い分けだけに絞って整理します。効能の話は出てきません。
pHは「0から14」の目盛り
pHは、水溶液が酸性かアルカリ性かを表す数値です。0から14までの目盛りで、真ん中の7が中性。7より小さければ酸性、大きければアルカリ性です。
身近なものを並べると、感覚がつかめます。
| pH | 身近なもの | 性質 |
|---|---|---|
| 2前後 | レモン汁・胃液 | 強い酸性 |
| 3前後 | お酢・コーラ | 酸性 |
| 5〜6 | 雨水・肌の表面 | 弱酸性 |
| 7 | 純水 | 中性 |
| 7前後 | 水道水 | ほぼ中性 |
| 8〜9 | 重曹水 | 弱アルカリ性 |
| 11前後 | 石けん水 | アルカリ性 |
| 13前後 | パイプ用洗剤 | 強いアルカリ性 |
ひとつ知っておくと便利なのが、この目盛りは1つ違うと10倍違うということです。pH8とpH9では、感覚以上に差があります。数字が1つ動くのは、思っているより大きな変化です。
家の中にある酸性とアルカリ性
掃除をする方には馴染みのある話です。汚れの性質と反対のものを使うのが基本になります。
- 油汚れ・皮脂・湯垢は酸性の汚れ。だからアルカリ性のもの(重曹・セスキ・石けん)で落ちやすい
- 水垢・尿石・石けんカスはアルカリ性の汚れ。だから酸性のもの(クエン酸・お酢)で落ちやすい
「重曹で落ちない汚れにクエン酸を使ったら落ちた」という経験があるとすれば、これが理由です。洗剤の強さではなく、性質が合っていたかどうかの話でした。
料理でも同じ理屈が働きます。豆を煮るときに重曹を入れると柔らかくなりやすい、天ぷらの衣に酸性のものを使うとカラッとしやすい——こうした昔からの知恵は、pHの話として説明がつきます。
今日からできる ― 色で確かめてみる
お金をかけずにできる確認方法です。pH試験紙は薬局やホームセンター、100円ショップなどで手に入ります。数百円程度です。
- 家にある液体を並べて測ってみる。水道水、お酢、石けん水、炭酸水。予想と結果を比べると面白いです
- 紫キャベツで手作りする。刻んで煮出した汁が天然の指示薬になります。酸性で赤、中性で紫、アルカリ性で緑〜黄色に変わります
- 浴槽のお湯を測ってみる。入浴剤の性質が数字で分かります
お子さんの自由研究にも向いています。紫キャベツの方法なら材料費だけで済み、色の変化が写真に残せます。「なぜ色が変わるのか」まで書けば、それだけで一本になります。
整水器がつくる水のpH
ここまでの話を踏まえると、整水器の仕組みも理解しやすくなります。
整水器は水を電気分解し、マイナス極側にアルカリ性の水、プラス極側に酸性の水を同時につくります。当店で扱う還元粋の場合、電解水素水はpH9.0〜10のアルカリ性です(メーカー公表値)。
そして先ほどの「性質が合っていたかどうか」の話がここでも効いてきます。アルカリ性の水は飲用や調理に、酸性の水は掃除などに——という使い分けです。1台で両方が出るのは、この目盛りの両側をつくっているからです。
なお、pHの数値が高いことと健康効果は別の話です。還元粋は家庭用管理医療機器として胃腸症状の改善が認証されていますが、認められているのはその範囲だけです。「アルカリ性だから体にいい」という説明はできません。
実際の水を試験薬で測って、色の違いを見ていただくこともできます。数字より、色のほうが分かりやすいと思います。
まとめ
- pHは0〜14の目盛りで、7が中性。1つ違えば10倍の差があります
- 掃除も料理も汚れや目的と反対の性質を選ぶのが基本。強さではなく性質の話です
- pH試験紙は数百円。紫キャベツなら材料費だけで確かめられます
店頭では実際の水を測ってお見せしています。お気軽にお声がけください。