「日本の水道水は安全です」
この記事でも何度か書いてきました。ただ、何をもって安全と言えるのかを説明したことはありませんでした。
根拠は水質基準51項目という制度です。中身を知ると、何が守られていて、何が基準の外にあるのかが見えてきます。
51項目とは、何を決めているのか
水道法にもとづき、水道水が満たすべき水質の基準が定められています。これが水質基準項目で、現在51項目あります。
重要なのは、これが努力目標ではなく遵守義務だという点です。水道事業者には、この基準を守ることと、定期的に検査することが法律で義務づけられています。基準を超えた場合は、給水停止を含む措置を講じることになります。
| 区分 | 性格 | 事業者の義務 |
|---|---|---|
| 水質基準項目 51項目 | 基準値(法令) | 検査・遵守が義務 |
| 水質管理目標設定項目 | 目標値 | 検査は事業者の判断による部分あり |
| 要検討項目 | 知見の集積が必要 | 基準・目標なし |
2026年4月にPFOS・PFOAが、この「水質基準項目」に追加されました。それまでは目標値の区分にありました。詳しくはこちらの記事に書いています。
3つの区分に分けて見る
51項目の中身は、大きく3つのグループに分けて理解できます。
① 病気の原因になるものを防ぐ項目
感染症や急性の健康被害を防ぐための項目です。ここが守られていることが「安全」の土台になります。
- 一般細菌:1mlの検水で形成される集落数が100以下
- 大腸菌:検出されないこと
- その他:カドミウム、水銀、鉛、ヒ素、六価クロムなどの重金属類
大腸菌は「検出されないこと」という厳しい基準です。日本で水道水をそのまま飲めるのは、ここが担保されているからです。
② 長期的な影響を考えて決められた項目
すぐに害が出るわけではないものの、長く飲み続けることを想定して上限が設けられている項目です。
- 総トリハロメタン:0.1mg/L以下(塩素消毒の副生成物)
- 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素:10mg/L以下
- PFOS及びPFOA:合算で0.00005mg/L(50ng/L)以下
トリハロメタンは、塩素消毒によって生じる物質です。消毒しないほうがリスクが大きいため、消毒は行いつつ副生成物に上限を設ける、という設計になっています。
③ 味・におい・見た目に関する項目
健康被害ではなく、飲みやすさのための項目です。
- 味:異常でないこと
- 臭気:異常でないこと
- 色度:5度以下 / 濁度:2度以下
- 鉄、マンガン、亜鉛:色や味に影響するため上限あり
今日からできる、自分の地域を調べる方法
お金をかけずにできることです。水道事業者には検査結果の公表が義務づけられているので、お住まいの地域の数値は誰でも確認できます。
- 「(市町村名) 水質検査結果」で検索する。水道局・上下水道局のページに掲載されています
- 51項目の一覧表を探す。項目ごとに「基準値」と「実測値(最大・最小・平均)」が並んでいます
- 基準値に対してどのくらいの数値かを見る。多くの項目は基準値を大きく下回っています
- 残留塩素の数値も併せて確認。基準項目ではありませんが、蛇口で0.1mg/L以上を保つことが定められています
福岡市の場合は「福岡市水道局 水質検査結果」で該当ページが見つかります。一度見ておくと、漠然とした不安は減ると思います。
基準の外にあること
ここは正直に整理します。51項目が守られていても、制度の範囲外にある要素があります。
- 宅内の配管。水質基準が保証されるのは蛇口までですが、集合住宅の貯水槽や建物内の配管の管理は、建物の所有者・管理者の責任です
- 味やにおいの好み。「異常でない」ことは守られますが、おいしいかどうかは基準の話ではありません
- 要検討項目にあるもの。知見の集積が必要とされ、まだ基準値が設定されていない物質があります
だからこそ「日本の水道水は安全」と「家庭で水を選ぶ余地がある」は、両立します。安全性を疑う話ではなく、味や用途で選ぶ余地があるという話です。
当店で扱う還元粋は、水道水をろ過したうえで電気分解する家庭用管理医療機器です。カートリッジで除去する22物質には、上記の総トリハロメタンやPFOS・PFOAも含まれます。認められている効能は「胃腸症状の改善」の範囲で、それ以外の健康効果をお約束するものではありません。
まとめ
- 水質基準51項目は遵守義務のある法令基準。大腸菌は「検出されないこと」という厳しさです
- 中身は①病気を防ぐ ②長期影響 ③味・においの3グループ。安全とおいしさは制度上も別扱いです
- お住まいの地域の検査結果は公表されています。「(市町村名)水質検査結果」で調べられます
調べ方が分からない場合は、一緒に確認することもできます。お気軽にご相談ください。