「先に入っといて」と言われて、30分後に浴室へ。
入ってみたら、ぬるい。
追い焚きボタンを押して、また待つ。この繰り返しが毎日だと、けっこうな手間です。なぜ思ったより早く冷めるのか。条件を整理してみます。
お湯はどこから冷えていくのか
浴槽のお湯が冷める経路は、大きく3つあります。
- 湯面からの蒸発:水が蒸発するとき、熱をたくさん持っていきます。冷める原因として最も大きいのがここです
- 湯面からの放熱:湯面と浴室の空気の温度差で、熱が空気に移っていきます
- 浴槽の壁からの伝導:浴槽の材質を通して、外へ熱が逃げていきます
この3つのうち、フタで抑えられるのは上の2つです。だからフタの効果が大きくなります。
ちなみに「保温浴槽」「高断熱浴槽」と呼ばれる製品は、3つ目の伝導を抑える構造になっています。一般的な浴槽より温度低下が小さくなるため、ご自宅の浴槽がどちらなのかで冷め方は変わってきます。
冷め方を左右する4つの条件
同じ家でも、条件によって差が出ます。
- フタの有無:いちばん大きい要因です。蒸発と放熱をまとめて抑えられます
- 浴室の温度:冬は温度差が大きいため、夏より速く冷めます。脱衣所や浴室が寒い家ほど不利です
- 浴槽の材質:ステンレスや鋳物は熱を伝えやすく、樹脂(FRP・人工大理石)は比較的保ちます。保温浴槽なら、さらに差が出ます
- 湯量:お湯の量が多いほど、冷めるのに時間がかかります。半身浴の湯量は、その分だけ早く下がります
つまり「冬・フタなし・少ない湯量」がいちばん冷める組み合わせです。心当たりのある方は、次の章から試してみてください。
今日からできる、冷めにくくする工夫
お金をかけずに、または数百円でできることです。
- フタを必ず閉める。当たり前ですが、いちばん効きます。半分だけでも閉めてください
- 保温シートを浮かべる。アルミ製のものが数百円で買えます。湯面を直接覆うので、フタとの併用が効果的です
- 浴室のドアを閉める。開けたままだと、浴室ごと冷えていきます
- 入浴の間隔を詰める。家族が続けて入れば追い焚きは不要です。ここが最大の節約でもあります
- 湯量を減らしすぎない。節水はしたいところですが、冷める速さと引き換えです
- 入る直前に張る。早く張って待たせるほど、冷める時間が長くなります
保温シートは費用が小さいので、まず試す価値があります。ただし入浴のたびに出し入れする手間は増えます。
そしてご自宅の実際の冷め方を知りたい場合は、測ってみるのが一番確実です。料理用の温度計があれば足ります。お湯を張った直後と、30分後・1時間後の温度を記録するだけ。ご家庭の条件での実数が分かります。
保温そのものを機械に任せる選択肢
ここまでの工夫でも、「家族の入浴が3時間以上ばらける」という状況だと限界があります。
そういう場合の選択肢が、24時間循環温浴器です。当店で扱うバスポカ EXecoは、浴槽の湯を循環・ろ過しながら設定温度を保ち続ける機器です。
フタを閉める、シートを浮かべる、間隔を詰める——こうした「冷めないように工夫すること自体」が不要になります。追い焚きの待ち時間もなくなります。
ただし、電気代がかかります。ろ過材・紫外線殺菌灯の交換(1〜2年ごと)と配管洗浄も必要です。毎日の手間が減るかわりに、年単位の管理が加わるという交換になります。
まとめ
- お湯が冷める主な経路は湯面からの蒸発と放熱。だからフタがいちばん効きます
- 左右するのはフタ・浴室温度・浴槽の材質・湯量の4つ。「冬・フタなし・少ない湯量」が最も冷めます
- まずはフタ・保温シート・ドアを閉める・入浴間隔を詰めるから。実際の冷め方は温度計で測れます
ご自宅の浴槽・浴室の条件をお聞きすれば、どの対策が効きそうかをご一緒に考えられます。お気軽にご相談ください。