「お手伝いしたい」と言われて、キッチンに立たせる。野菜を洗う、混ぜる、盛りつける——ここまでは安心して任せられます。
ただ、火のまわりだけは別です。何歳から任せていいのか、どこに気をつければいいのか。判断に迷う方が多いところだと思います。
結論から書くと、どの加熱方式でも「安全」と言い切れるものはありません。危険の出かたが違うだけです。そこを知っておくのが対策になります。
加熱方式ごとに、危険の出かたが違う
それぞれの特徴を並べます。どれも危険がゼロにはなりません。
| 方式 | 子どもと使うときの注意点 |
|---|---|
| ガス | 炎が見える(危険が伝わりやすい)/袖や髪への引火に注意/五徳が高温になる |
| IH | 炎が見えないため熱いと分かりにくい/天板がフラットで手をつきやすい/加熱中でも天板中央は比較的低温だが鍋底の熱が伝わる |
| ラジエント | 炎は出ないがヒーターが赤く光る=熱いと見て分かる/天板そのものが高温になる/消灯後も熱い時間が長い |
ガスは「炎が見えるから危ないと分かる」という利点があります。一方で、袖に火が移るという事故はガス特有です。子どもの服装には注意が必要です。
IHは炎が出ませんが、「熱くない」わけではありません。鍋底の熱が天板に伝わるので、鍋を置いていた場所は熱くなっています。「火が見えないから安全」という誤解が、かえって事故につながることがあります。
ラジエントは、加熱中はヒーターが赤く光ります。子どもにも「ここは熱い」と見て分かるのが特徴です。ただし天板全体が高温になるため、触れれば熱傷します。
どの方式にも共通する、いちばんの注意点
ここは強調しておきます。
「もう消したから大丈夫」は通用しません。触れる前に、必ず大人が確認してください。製品によっては高温表示ランプが点きますが、それが消えるまで待つのが基本です。
この点は、実際にご相談の中でも必ずお伝えしています。「便利だから安全」ではありません。
今日からできる、キッチンでの決めごと
器具を替えなくても、決めごとで防げることがあります。
- 「コンロは大人が操作する」を最初に決める。年齢で線を引くより、この一点を守るほうが確実です
- 子どもが立つ位置を決める。コンロの正面ではなく、シンク側や作業台側に。踏み台を使う場合は安定したものを
- 袖をまくる・髪を結ぶ。ガスでは引火、どの方式でも鍋への引っかかりを防げます
- 鍋の取っ手は奥に向ける。手前に出ていると、通りすがりに引っかけます
- 「熱い」を触らせて教えない。言葉と、赤く光る・湯気が出るといった見て分かるサインで伝える
- チャイルドロックを使う。IH・ラジエントには操作ロック機能がある機種があります
- 役割を分ける。洗う・むく・混ぜる・盛る。火を使わない工程だけでも、十分に「一緒に料理した」になります
いちばん効くのは最後の項目だと思います。火のそばに立たせないと料理体験にならない、ということはありません。
方式を選べる場合に、考えること
買い替えを検討中なら、判断材料としてお読みください。
ラジエントヒーターは、加熱中にヒーターが赤く光ります。子どもにとって「熱い場所が目で見て分かる」のは、判断材料としては分かりやすいほうです。炎も出ないため、袖への引火という心配はありません。
ただし繰り返しますが、天板は高温になり、消灯後も熱い時間が続きます。「炎が出ないから安全」という機器ではありません。使い方の決めごとは、どの方式でも必要です。
当店では2つのタイプを扱っています。
- ビルトインタイプ:キッチンに組み込む形
- 卓上タイプ:置くだけ。食卓で使えるので、子どもと一緒に焼く場面にも
卓上タイプについては、食卓で使う場合こそ注意が必要です。子どもの手が届く高さになるので、座る位置と大人の付き添いを前提にしてください。
まとめ
- どの加熱方式も「安全」と言い切れるものはありません。危険の出かたが違うだけです
- スイッチを切っても天板は熱いままです。特にラジエントは余熱が長く残ります。触れる前に必ず大人が確認してください
- 器具より決めごと。「コンロは大人が操作する」「立つ位置を決める」だけで、防げることが増えます
実物を見て、どこがどれくらい熱くなるかを確かめていただくのがいちばん確実です。お気軽にお声がけください。